Joy at Work〜片づけでときめく働き方を手に入れる〜

「本のご紹介」第7回目の投稿です。

片づけコンサルタントの近藤真理恵(こんまり)さんと、ライス大学経営学院教授のスコット・ソネンシェインさんの共著、「Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる」をご紹介します。

こんな方にオススメ!
  • 仕事がごちゃっとしているなと感じている方
  • 働き方に悩んでいる方
  • 自分の今後のキャリアに悩んでいる方
ミキ

あの「片づけの魔法」が多くの科学的データと共に、仕事の片づけに応用されました!
これは、単なる片づけ本ではなく、片づけという手段を使ったコーチング本だと思います。

本を読む前に

こんまりメソッドについて知っていたこと

以前、近藤真理恵(こんまり)さんの「人生がときめく片づけの魔法」「人生がときめく片づけの魔法2」を読んで、家の片づけをしてみたことがあります。

片づけをする前は、懐疑的に感じていたところもありましたが、やってみると、モノを残す基準が、自分の中で以前より明確になったという実感が得られました。

残念ながら、キープまではできていませんが、今でも時々、こんまりメソッドを思い出して片づけをしています。

今回は、こんまりメソッドの仕事版ということで、興味を持ち、本書を手に取りました。

本の概要

章ごとのポイント

ミキ

「ときめき」という言葉がしっくりこない方は、「自分の気持ちがプラスに動く」、「モチベーションが上がる」くらいの感覚だと捉えるとよいと思います。

第1章 どうして、片づけが必要なのか? [近藤真理恵さん]

周りに多くのモノがあると、ストレスホルモン(コルチゾール)の量が増加して、うつ病や不眠症などの精神疾患、生活習慣病などのストレス関連疾患につながりやすくなる。

また、神経科学の研究では、散らかっている環境にいるほど、脳にも負担がかかることが明らかになっている。

片づけを通して自分と対話をし、仕事をする理由や仕事における自分の価値観を知ることで、自分の仕事に対して迷いなくエネルギーを注げるようになる。
これが、仕事における片づけの本当の目的である。

第2章 片づけでリバウンドしないために [近藤真理恵さん]

「片付け前のマインドセット」(=「なぜ片づけをするのか?」という目的意識を持つこと)が重要。

理想のワークスタイルを「環境」「行動」「感情」「時間軸」の4つの要素で考えてみる。

残すべきモノは、「それ自体にときめき」を感じるモノ、機能の面で役に立つモノ、自分のときめく未来につながっているモノ。

「ときめくモノを選ぶ」≠「捨てるモノを選ぶ」
私たちの脳は、ポジティブな体験よりもネガティブな体験を重視してしまうため、ネガティブな面にフォーカスしてモノを捨てても、幸せになれない。
だからこそ、「ときめくモノを選ぶ」というポジティブな面にフォーカスする。

片づけには、「日常の片づけ」と「祭りの片づけ」がある。
まずは一気に「祭りの片づけ」を終わらせよう。

ミキ

なにごとにも、目的意識は重要ということなんですね。
「片づけ」って日常のものになりすぎていて、片づけに目的意識を持つなんて、思ってもみなかったです。

第3章 仕事場を片づける [近藤真理恵さん]

本、書類、名刺、小物、など、こんまり流片づけメソッドが紹介されています。

すべてのモノを出してから、残すモノを選択していくという考え方は、お家の片づけと同じ。

片づけの順番は、物理的なモノ(本、書類など)から非物理的なモノ(デジタルデータやEメールなど)へ。

ただし、仕事場では、自分の一存で捨てることができないものがあることに、注意すること。

第4章 デジタルデータを片づける [スコット・ソネンシェインさん]

デジタルなアイテム(文書、メール、スマホアプリ)は、実態的なアイテムと違って、蓄積が目に見えにくいので、気づいたときには手遅れ、という状況になりがち。

自分がテクノロジーのボスであることを忘れずに。
テクノロジーを今よりもっと上手にコントロールする方法を見つけることを目標にする。

ミキ

「典型的なオフィスワーカーがメールの受信箱に保存している未開封の電子メールは平均199件」だそう。
これにはビックリ仰天。なぜなら、私の受信箱に溜まっているメールが、ちょうど199件だったので・・・

第5章 時間を片づける [スコット・ソネンシェインさん]

活動の散らかりを見つける方法を身につければ、働く時間を短縮でき、仕事にときめきをプラスできる。
活動の散らかりを生み出す原因は、3つある。

  1. 成果を求めすぎてしまうこと
  2. 重要性ではなく緊急性を優先してしまうこと
  3. マルチタスク

タスクを次の3つに分類して、どのタスクを残すべきかを自分に問いかける。

  • コア・タスク:中心となる現在進行形のタスクで、仕事をする上で自分の存在価値を決定する
  • プロジェクト・タスク:開始と終了がきちんと決められているタスク
  • デベロップメンタル・タスク:自分が成長したり学んだりするためのタスク

忙しい現代社会では、仕事のために自分をないがしろにしてしまう人も少なくないのでは。
「自分をいい状態にすることを第一優先にしよう」

また、仕事の生産性を高めるには休憩時間(ダウンタイム)を取ることが必要。

第6章 決断を片づける [スコット・ソネンシェインさん]

決断のリスクの大きさによって、時間とエネルギーをそそぐ価値のある決断はどれかを考える。

また、たいていの決断は完璧でなくても十分。完璧な決断を求めすぎると、時期を逸してしまうこともあるため、決断にかける時間を限るのが良い。

第7章 人脈を片づける [スコット・ソネンシェインさん]

つながり(人脈)が多ければ良いという訳ではない。

研究によれば、私たちが管理できる有意義なつながりは150が限界だそう。それ以上になると、相手を本当に知ることは困難になる。

質の高い人脈を気付き、本物のときめきをくれる人間関係を育てよう。

第8章 会議を片づける [スコット・ソネンシェインさん]

簡潔な会議を回数を抑えて開くことは、生産性の向上につながる。

「着席」の会議は、テリトリーを象徴し、人々が自分の意見にこだわって、他人の意見に心を開かない傾向がある。
「立席」の会議は、より創造的なアイデアと協調をもたらす。また集中力が高まり、テリトリー意識が低下し、所要時間が短くなる傾向がある。

ミキ

テレワークでのリモート会議では、また違う特徴がありそうですね。
感覚的には「着席」と「立席」の間くらいでしょうか。
テレビ会議と音声会議とではまた違う特徴がありますが、気をつけることは基本的に同じかなと思いました。

第9章 チームを片づける [スコット・ソネンシェインさん]

最良の結果をもたらすためには、異なる視点から、たがいに遠慮なく話し合える状態が必要。

アイデアを生み出したり、判断をくだしたり、想像力を発揮したりするのに最適な人数は、4〜6人であり、9人以上では効果的な働きをするには限界ぎりぎりとされている。

チームが大きすぎると思ったら、少人数のワーキンググループに分かれると良い。

チーム全員が自分の強みを活かせることを目指して、チーム成功の鍵は、肩書きや年齢や地位に関わらず、全員が持っていることを忘れないようにする。

第10章 片づけの魔法をシェアする [スコット・ソネンシェインさん]

仕事の片づけをすることで、自分のワークスタイルを自分でコントロールする力を取り戻すことができる。

こんまりメソッドの片づけは、「自己発見のプロセス」である。
自分自身について学び、それが望んだ人生へ近づく道につながるのである。

第11章 もっと仕事で”ときめく”ためには [近藤真理恵さん]

「仕事が片付いている」とは、常に今何をするべきかが明確で、タスクを滞りなくこなし、メリハリを持って、ときめきながら働いている状態を指す。

この状態を保つには、定期的に自分と向き合い、現状を振り返り、改善する時間を取ることが必要。

意思を持って残したモノには、腹をくくって大切にできたり、感謝して手放すことができるようになる。

今の自分の人生は、過去の自分の選択の結果であり、いまの選択の結果がこれからの自分の人生を作る。

自分がどうしたいのか、改めて自分に問いかけてみよう。

本を読んで

学んだこと

  • 片づけを通してさまざまなモノと向き合うことで自己発見ができる

一点集中!実践したいこと

  • 完璧な決断を求めすぎず、制限時間を設ける

感想

仕事に関する様々な要素に「片づけ」という考え方、手段を適用するということが、新鮮でした。
多くの研究結果に基づいた内容のため、納得感が大きかったです。

なぜそれをするのか、残すのか、を考えることで、過去・現在・未来の自分と向き合うことにつながるというのは、その通りだと感じました。

特に、「決断を片づける」については、日々の仕事の中で判断に迷うことが多くあるため、参考になりました。

自分を振り返ってみると、日々の忙しさの中で、「とりあえず」そのままにしてしまっていることの多いこと多いこと。。それだけ、決断を先送りにしていたり、そのことについて「向き合う」ということをしていないのだと気付きました。

各章で、片づけのポイントやメソッドが紹介されているので、この本を読めば、一人でも「祭りの片づけ」が実践できると思います。
ただ、チームメンバーも巻き込んで片づける方が、より有意義な片づけができそうですね。

まとめ

  • 片づけでは、「捨てるモノ」ではなく、「残すモノ」を選ぶ
  • さまざまなモノの「片づけ」を通して、自分と向き合うと、ときめく仕事ができるようになる
ミキ

最後までお読みくださり、ありがとうございました!
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
↓の画像からamazonのサイトにアクセスできます。