「本のご紹介」第3回目の投稿です。
「情報を正しく選択するための認知バイアス事典」をご紹介します。
- どのような認知バイアスがあるかを知りたい方
- 自分の思い込みに気づきたい方
- 世の中に溢れる膨大な情報を、自分で正しく判断したいと考えている方
- 人の無意識な偏見や差別を知って、対人関係を良くしたい方
多くの認知バイアスについて、様々な研究や実験結果、例と共に説明されているので、とても分かりやすく、オススメです!
思わず「あるある」と頷きながら読んでしまうのでは。
もくじ
本を読む前に
「認知バイアス」について知っていること
本書のまえがきによれば、
「認知バイアス(cognitive bias)」とは、偏見や先入観、固執断定や歪んだデータ、一方的な思い込みや誤解などを幅広くさす言葉
だそうです。
私は、「吊り橋効果」程度しか知らない、ほとんど無知な状態でした。
本の概要
本書では、「論理学」、「認知科学」、「社会科学」の3つの研究分野で、計60項目もの「認知バイアス」が紹介されているため、各部から1つずつ抜粋して紹介させていただきます。
第I部 認知バイアスへの論理学的アプローチ
ソリテス・パラドックス
「ソリテス・パラドックス」とは、「定義が曖昧な語を用いることによって生じる誤謬(ごびゅう)」である。
「ソリテス・パラドックス」の一つとして知られている「砂山のパラドックス」とは。
「砂山」から1粒の砂を取っても、それは「砂山」。
さらに1粒取ったら?それは「砂山」。
では、最後の1粒になったら?
それは「砂山」といえるのでしょうか。
上記のような連続した議論からは、最後の1粒も「砂山」という結論になる。
しかし、1粒の砂を「砂山」というには抵抗があるため、ここにパラドックス(矛盾)が生じる。
これは、「砂山」という、意味が曖昧な語に明らかに正しい議論を適用することで、パラドックスが生じてしまうのである。
このパラドックスを解決するには、語の意味の曖昧性を排除するという方法がある。
つまり、砂が何粒あれば「砂山」なのかを定義しておくということである。
意味が曖昧な語を扱う際には、ボーダーラインの状況をどのように捉えるかが重要なのである。
このような、曖昧性を持つ語としては他に、「新しい」、「古い」、「若い」などがある。
「最近の若者は…」といった時に、「最近」とはいつからいつまで?「若者」とは何歳から何歳まで?ということを明確に定義してから話を進めると良い。
第II部 認知バイアスへの認知科学的アプローチ
確証バイアス
「確証バイアス」とは、「自分の考えや仮説に沿うような情報のみ集め、仮説に反するような情報は無視する傾向のこと」である。
例えば、誰かに対して一度、「この人は冷たい人だ」という印象を抱いてしまうと、それに沿うような情報(メールの返信をくれない、等)だけを探し出してしまい、その仮説を覆すような情報(優しく相談に乗ってくれる、等)は無視してしまう、ということである。
このように、常に自分の考えだけに固執しないためにも、多面的に物事を見ることを意識しておきたい。
第Ⅲ部 認知バイアスへの社会科学的アプローチ
ステレオタイプ
「ステレオタイプ」とは、「性別・出身地・職業などの特定の集団やカテゴリに対して、個人の違いを無視し、1つの特徴でまとめてとらえること」である。
これは、良くない特徴をグループと紐付ける際に問題が生じやすく、偏見や差別をもたらすこととなる。
例えば、AB型の人なら、「二重人格」や「二面性がある」といった偏見に違和感を抱いたことがあるのではないだろうか。
しかし、血液型によって性格が決まるという説は、科学的根拠に乏しく、否定されている。
上記のとおり、正しい知識を持つことで、このような偏見や差別を減らせるのである。
本を読んで
学んだこと
- 認知バイアスには、「論理学」、「認知科学」、「社会科学」の分野がある
- 自分に見えているものが正しい情報だとは限らない(無意識の心のクセがある)
一点集中!実践したいこと
- 時々読み返して、心のクセを意識して修正する
感想
各項目で、研究実験の結果や事例が記載されていたので、イメージしやすく、分かりやすかったです。
日常生活の中でも、無意識のうちに偏った考えに陥ってしまうことがあると分かり、怖さを感じました。
でも、そのようなことがある、ということを知ることができたので、常に「多面的に物事を見れているか」などを自問自答していくことで、情報を正しく選択できるようになりたいと思いました。
まとめ
- 認知バイアスにはさまざまなものがある
- 認知バイアスがあると知っているだけで、自分の考えが偏ってしまうことを防ぐことができる
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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