「本のご紹介」第6回目の投稿です。
薬剤師の大塚まひささんの「うるおい漢方」をご紹介します。
- 漢方に興味がある方
- 身体の不調を原因から治したい方
- 漢方で美容を実現したい方
冒頭の「うるおいチェックリスト」で自分の症状がチェックでき、不調のタイプ別の対策が載っているので、オススメです!
本を読む前に
漢方について知っていたこと
漢方薬は、不調の元にアプローチして治すもの、西洋薬は、痛みに直接アプローチして治すものという考え方は知っていましたが、具体的にどんなときに何を飲んだら良いのか、自信が持てず、少しくらいの不調であれば、休んだり我慢することでやり過ごしていました。
また、「気血水」や「陰陽五行説」についても、聞いたことはありましたが、生活の中に取り入れられる程ではありませんでした。
本の概要
章ごとのポイント
第1章 漢方は日本の伝統医学だった《漢方の基礎知識》
漢方は、奈良時代に中国から古代中国医学が伝わった後、日本人の気質、体質、風土の影響を受けながら、日本で独自に発展してきたもの。
「漢方」とは、考え方や方法論を表す言葉であり、次のようなものが含まれる。
- 薬→「漢方薬」
- 食事→「薬膳料理」
- お茶→「漢方茶」や「薬膳茶」
漢方では、「気・血・水」と「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」でカラダのバランスをみることができる。
「うるおい漢方」という言葉は、著者の大塚まひささんが「漢方理論を美容に応用し、肌・カラダ・心がうるおうことに強くフォーカスして、健康〜美を当たり前にする、人生がうるおうための漢方」と定義している。
第2章 私たちに必要な「うるおい成分」とは?
「気血水」は、「うるおい成分」といえるものであり、これらがカラダの中に十分あって、しっかりめぐっていることが、健康で美しくいられる条件である。
気
生命エネルギー。
目にはみえない空気のようなもので、全身をめぐっている。
血
体内にある栄養のある水分。
全身に栄養とうるおいを与えるもの。
水
血意外の水分。
全身にうるおいを与えるもの。
気血水のどれかが不足していたり、めぐりが滞っていたりして乱れていると、カラダは様々なサインを出して教えてくれる。
そのサインは主に、外見の悩みとして出てくる。
P86〜91には、気血水それぞれの「不足と滞りのサイン」および、それに対する具体策が分かりやすくまとめられている。
第3章 味覚でわかる、あなたが本当に欲しているもの
「気血水」がカラダの「うるおい成分」であるのに対して、「五臓六腑」は「うるおい製造工場」である。
五臓六腑の不調のサインは、「顔色」、「感情」、「苦手な気候や季節」、「動き」、「体臭」などに現れてくる。
カラダが欲している味覚から、どこが弱っていてどんな状態か、をひも解くことができ、漢方では「五行色体表」という一覧にまとめられている。
漢方における「五臓六腑」は、西洋医学が示す五臓六腑よりも広い役割を担っている。
P137〜141に、各項目の働きと不調のサイン、調整するための要素が一覧でまとめられている。
第4章 対策は人それぞれ!お悩み別「処方せん」
「疲れが残る・だるい・元気がない」、「頭痛」、「冷え」などの症状と、原因、対策の様々なケースが書かれている。
うるおいチェックリスト(P16〜21)の結果と関連付けられていて、自分の症状と照らし合わせて読むことができる。
第5章 「幸せ体質」になれる!漢方の時間割
漢方では、24時間、五臓六腑が活発に働く時間が決まっていると考えられている。
それぞれの時間に何をすると元気に過ごせるのか、が書かれているので、自分の生活リズムと照らし合わせて読むことができる。
例えば、以下のような感じ。
- 7〜 9時 胃 この時間に食べたもので1日が作られる
- 13〜15時 小腸 栄養吸収の時間
- 21〜23時 三焦 この時間帯の重要な決断はNG
- 23〜 1時 胆 この時間にしっかり寝て決断力と行動力を養う
本を読んで
学んだこと
- 漢方の考え方、理論
- 食べたくなるものが、不調のサインを現しているということ
- 漢方薬を飲まなくても、食べるものを変えることでカラダの不調を整えることができるということ
一点集中!実践したいこと
- カラダが本当に欲している食べものを食べるようにする
感想
はじめ、この本のタイトルを見たときに「うるおい漢方」ってなんだろう!?と思いました。
でも、読み進めていくうちに、漢方の理論がとても理にかなっていることを実感し、様々な症状を自分の体調と照らし合わせることで、更に納得しました。
頭痛ひとつをとっても、原因は様々あることがよく分かったので、自分で自分のカラダを整えられるよう、自分に当てはまる項目を更に読み込みたいと思いました。
同時に、自分には当てはまらない不調についても、このような不調で悩む方もいるのだということが分かって良かったです。
様々な症状が紹介されているので、中には、こんなこと(物忘れ、眠れない、など)も漢方の考え方で改善できるのか、と思う内容もあり、漢方をより身近に感じられて、大変参考になりました。
まとめ
- 漢方は日本の伝統医学
- 漢方≠漢方薬
- 「気血水」は「うるおい成分」、「五臓六腑」は「うるおい製造工場」
- 「五臓六腑」が活発に働く時間帯は決まっている
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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