日本人なら知っておきたい、着物のコト

「本のご紹介」第13回目の投稿です。

和装イメージコンサルタントの上杉惠理子さん著の、「世界のビジネスエリートを魅了する 教養としての着物」をご紹介します。

こんな方にオススメ!
  • 着物に興味のある方(着れなくてもOK!)
  • 「いつかは自分で着てみたいな」と思っている方
  • 着物をもっと楽しみたい方
ミキ

読んだらきっと誰かに話したくなる、着物への素朴な疑問への答えや、着物の歴史・文化がよく分かります。「着物っていいな、日本文化って素敵だな」と思える一冊です。

和装イメージコンサルタント、著者の上杉惠理子さん

和装イメージコンサルタント
着物を着こなすための「和創塾 ~きもので魅せる もうひとりの自分~」主宰

東京下町出身で江戸っ子気質の英語教師だった父と、日本橋三越直営店の和裁士として修行した母の間に長女として生まれる。学生時代、交換留学先でアメリカ人の浴衣に対するポジティブな反応を体感し、日本の伝統である着物をグローバル社会で着こなす可能性に気づく。母親の30年前の着物を着こなすことで、いつの間にかコンプレックスを解消し10kg減量、自分の人生の主役として生きられるようになる。

法政大学社会学部、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了後、環境創造企業 株式会社エステムでの営業企画部勤務を経て、星野リゾートに入社。東日本大震災で大打撃を受けながら、担当した北海道のリゾート トマムの業績回復と会社の急成長を目の当たりにし、ビジョン·戦略·行動力があれば現実を変えられることを実感。自分を変えた着物の真の魅力を伝え、着物文化を次世代に受け継ぎたいと、2015年日本初の和装イメージコンサルタントとしてダブルワークから起業する。

「難しい·苦しい·お金がかかる」と思われている着物を、「誰でもできる·身体に楽·高コスパ」で、女性ひとりひとりの魅力を引き出す勝負服として、コーディネートや着用シーンなどを提案する。これまでの着付け教室にはない講座内容と、受講生それぞれの個性やストーリーに寄り添う姿勢に、「和創塾~きもので魅せる もうひとりの自分~」に全国から個性豊かな受講生が集まる。

Amazon.co.jp: 世界のビジネスエリートを魅了する 教養としての着物 : 上杉 惠理子: 本
ミキ

惠理子さん(写真右の方)は、なんと、着物でスキーまでしてしまう、とっても元気で美しい女性です!私は和創塾で、惠理子さんからいろいろなことを学び、自分で着物を楽しめるようになりました。

和創塾の撮影会で、惠理子さんとツーショット♪

本の中身を少しだけ、ご紹介

目次

序 章 世界中の人を魅了する着物・Kimono
第1章 外国人が知りたい日本の文化 着物への質問
第2章 これだけは知っておきたい日本の伝統文化「着物」
第3章 なぜ今、着物が注目されるのか
第4章 ビジネスや日常に活かしたい着物に学ぶ和の知恵と感性
第5章 知っていると一目置かれる着物を作る産地と伝統技術
第6章 知っていると自信が持てる着物を着て楽しむための知識
第7章 「和」に出会える 着物専門店

「なぜ着物は袖が長いの?」

着物の特徴の1つである、袖の長さ。袋になっている部分を「袂(たもと)」と呼ぶ。

1つ目の理由は、「暑い夏を快適に過ごすため」

着物は、シャツのように腕全体を布で覆っていないので、両手を上に上げればストンと袖が肩まで落ちる。袖を長くし、袂があることで、通気性が良くなり、暑い夏でも過ごしやすくなっている。

2つ目の理由は、「袖が長い服を着ることがステイタスだったから」

平安時代に、裕福で力を持っていることの象徴として、袖が長くなった。鎌倉時代には、実用的に、と短くなったが、江戸時代に踊りの衣装として振袖が作られたことで、再び袖が長くなった。現代では、振袖は未婚女性の礼装。

ミキ

時代とともに、ファッションが移り変わっていることが分かりますね。

着物1枚に必要な繭はいくつ?

着物の多くは、絹で作られている。

絹を使うからこそ、薄くて光沢のある布になり、多彩な色に染め、細やかな柄を追ったり染めたりすることができる。

絹糸は、蚕(かいこ)が作る。

蚕は、サナギになるときに口からタンパク質の成分を吐き出し、自分を包む繭を作る。その繭を10個ほど同時にまとめてほどくように糸を引き出し、撚りをかけたものが、絹糸(生糸)。

1つの繭からは、長いもので1500メートルの糸がとれる。

1枚の着物を作るためには、実に2700個もの繭が必要になる。

蚕はサナギから成虫になるときに繭を破って外に出てしまうので、美しい絹糸を作るためには、サナギの蚕が入っている破れる前の繭を、熱処理や冷蔵をして、湯に入れて、糸を取り出していく。

だからまさに、着物は蚕(お蚕さん)の命そのものなのである。

桜柄の着物は、桜が満開になったら着てはいけない

日本は、四季の変化がはっきりとある国。

そして着物にも「季節もの」という考え方がある。

「季節もの」とは、枝葉とともに書かれた写実的な桜だけを描いた着物や帯のこと。
(花だけを描いた桜柄や、他の季節のものと一緒に描かれていたら、通年柄。)

たとえば、「桜が咲く前に先取りして着て、桜が満開になったらもうその年は着ない」という考え方。

どんなに素晴らしい着物でも、本物にはかなわない、という考え方が元になっている。

「季節もの」を取り入れるかどうかは、着る人の自由だが、季節ごとの美しさを取り入れる着物だからこそできるファッションを楽しむのも良き。

グローバルに活躍するビジネスパーソンが知っておきたい着物の知識

実は私も、着物の魅力に(沼に)ハマっている一人です。

私が個人的に感動したのは、フォーマル着物のルールとその裏側にある理由です。

そのルールと理由とは。

「お祝い事では、佳いことが重なるよう、帯を二重太鼓に結び、お通夜やお葬式では、重なってほしくないことなので、一重太鼓に結ぶ」というもの。

帯の結び方で気持ちを表すなんて、なんてさりげなくて日本人らしいんだ、と思いませんか?

私はこれを知った時に、日本人って素敵だな、と嬉しくなったのを覚えています。

着物はルールが堅苦しいと思われがちですが、そこには相応の理由があります。ただしそれは、フォーマルな席でのこと。

普段着なら、そんなに重く考えなくても大丈夫なので、多くの方に着物を楽しんでほしいなと思います。

ミキ

最後までお読みくださり、ありがとうございました!
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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